ミーンミンミン、うるさいなぁ。
夏嫌いなんだよなぁ、暑いし、うるさいし、暑いし、暑いし・・・。


「おー!来てる来てる!ー!」
「おー・・・田島少年。よくもあたしを練習試合に呼んでくれたな。」
「おー嬉しいだろ!」
「おー嬉しくないよあっちぃよ。朝から元気すぎだよこの野球馬鹿。」
「おー!それ褒めてる!?やったね、に褒められた!ついでに前半戦勝利のごほーびにちゅーして!」
「おー、良く聞け田島少年。ぜってーしてやんねー。
「おー恥ずかしがりやだな!」
「おー、ちょ、あたし恥ずかしいとか一言たりとも言って無いんですが。」


おー、とにかくこいつとの会話がなりたたないんですけど。それになんか運動後の体温隣とか暑いんですけど。
座るな、一メートル離れて立ってろ野球少年。あたしが暑さにめっぽう弱い事を知っての行動でござるか。
・・・夏嫌いだぁ・・・自分でも何言ってるかわかんなくなってきた。
ミーンミンミン、うるっさいなぁ。


「なあなあー、アイス食ってんじゃん!一個ちょーだい!」
「やらん。あたし今これで生命保ってんの。」
「いいじゃんよー、俺もセイメイ保ちたい!ゲンミツに!」
「ゲンミツにお前は保たれていますよ田島少年。てか両方共口付けたし。間接ちゅーなんてやだもん。」

ていうかこれ食べ終わったら帰るつもりなので。そう告げればちぇーって言いましたよ彼。
やっぱりあたしを殺す気なんだ。この暑さ、アイス如きじゃ耐えられないよ。
やっぱりクーラー効いた部屋じゃなあいと。あーあーあーあー・・・これだから夏は、嫌いだ。
ツクツクボーシツクツクボーシツクツクボーシツクツクボーシツクツギャァギャァギャァ
・・・おい、仕事放棄するなつつくつぼうし。あ、噛んだ。


「何、マジで帰っちゃうの!?後半戦あるんだからそっちも見てけよー、そんでもって一緒に帰ろうぜ!」


にしても野球部、今日あともう一試合やるとか・・・もーだめ。見てるだけで眩暈がする。
頑張ってるなーの次元じゃないよこれは。人間じゃ、ない。ついていけないというか付いて行く気が無い。
ていうか蝉うるさい。ミーンミンミンミンミンミンミンジー民事!?

あたしの頭もとうとう危険区域に突入したらしい。

早々に帰らなくちゃこのままお陀仏・・・だから夏は嫌いなんだ。
ミーンミンミンミンミンミンミン


ー?大丈夫かー?水いる?」


田島が居る。あれ、なんでたじ・・・あーそうだ一緒に帰ろうだっけか。後半戦見てけだっけか。
ああ、うん大丈夫。あたしにはアイスがある。


「・・・平気。てかおっまえなぁ、あたしこっからも田島ん家からも遠いのよ、一緒に帰るも何もないでしょうが。」
「俺チャリで送ってく!」
「いらん。電車とバスで帰る。」
「えーえーえーえー!、青春しようぜー!」
「おまえとするせいしゅんなどないのですよたじまゆういちろう。」
「おお!上杉けんしんゲームバージョン!」
「おお、良く解ったね田島少年。」
好きだからの好きなゲーム知ってんもん!」
「おお・・・・、お?」


さらっとなんか言ったよ、どうしよう上杉公。
・・・放っておいていいのかな、突っ込むべきところじゃないんじゃないかな?
あー・・・あっちぃなあ・・・なんなんだよ、あたしに恨みでもあるのかよぅ、

夏めーさっきより暑いじゃないかぁ。

ミーン・・・ミーン・・・ミーン・・・、あれ、これって夜に鳴くタイプの蝉じゃない?


「あちーあぢー。あっついな!」
「お前の脳味噌もオーバーヒートしてそうだよ、田島。」
「そっかぁ?あ、それよりそのアイスちょーだい!」
「さっきまでの会話忘れたの?どっちも口付けたからあげないって。マネジにポカリもらいなさいな。」
「やだーそれがいいー!」
「子供か!」
「欧米か!」
「タカアンドトシはいいから、子供か!」
「子供はどうでもいいからアイスちょーだい欧米か!」


キリが無くなってきた・・・。ツクツクミーンミ、うっさい!


「あー、解った。あれだ、明日アイス買ってきてあげるから、学校で食べなさい。」
「今食べるからいいんだろー!てか、そのアイスが欲しいんだよ、そのアイス!」
「絶対にやらんー。ていうかもう解けてますから清涼飲料水になってるからーアイスじゃないですからー残念!」
「えーずりー!てかてかっ、それでもいいからそれちょーだいってば!」
「やらんー。」

ミーンミンミンミーンミンミン、あーだから夏は、暑苦しいやつがさらに燃え上がるから。
ちくしょーお前の会話してる間に解けちまったよあーあーあーあーだから夏は!

「あーもー意地悪い!」
「田島に言われたくない。あーもーあぢー。早く食べ終わって早く帰るべし、ってか、帽子取らない方がいいよ。
暑いなら余計。帽子してる方が暑さ免れるから。」
「んー?えー違う違う!暑いから取ったんじゃないの!」
「えー、お前熱中症でしにたいのかー?」
「しにたくない!だってまだと「はい放送禁止用語ー!」してないもん!」
「女の子の前でそういう事言っちゃいけません、解りましたか田島少年。」
「はいイエッサ、気をつけますセンセ。」
「解ったら早く帽子被りなさいー。」
「サーイエッサ!その前に」

ミーンミンミン、ツクツクボーシツクツクボーシツクツクボーシツクツクツクツクボーッシ


「こっち向いてみ!」
「はいはいー、なんで」


ミー、・・・・・え?

「帽子は、隠すため!恥ずかしがりやだろー?間接ちゅーもさせてくんないもんな!」
「・・・ん?お前は既にしんでいる?」
「ダーメダメダメ、俺、と付き合うまでしねないもーん!」
「・・・ん?我は日輪の、ん?」

・・・え、蝉の大合唱止まりやがった!!田島少年、コノヤロー、オ放送禁止用語だけじゃ飽き足らずちゅーしやがった!ん?オ放送禁止用語ってなんか、違、ん?アイスの恨み?アイスあたしのなんだけど、え?ん?
間接、ああ、だから欲しかったのかアイス。ん?


、俺、好き!」
「え、うん。・・・え?うん?うん・・・うん・・・え?」
「だからさ、後半戦勝ったら付き合ってよ!
あ、の気持ちもソンチョーしなくちゃだな!返事は次の試合始まる前に聞かせて!」
「あ、はい。じゃなくて、え、それ私の気持ちとかソンチョーとか「じゃあもう行くから!場所ウチの学校な!」
「それは、あたしに試合見に来い「絶対来いよ、ゲンミツに!」


とりあえず田島、君、あたしの意見は尊重してくれてないから。
とりあえずもう一つ、田島、君、野球帽で隠しても野球部、君の背後だから丸見えじゃね?

ミーンミンミンミンミン、ミーンミンミンミンミン

・・・だから夏は嫌いなんだチクショー!暑いんだよ、さっきより更に強く照りつけやがって!あちぃんだよ、あたしを焼き殺す気・・・あーもう、はい、夏大嫌いです、嘘です大好きです。


「あー・・・アイス、あと、5、10本?あと、ポカリと、飲み物もっと買わなくちゃ、あとあと、お昼も、お腹空くだろうし・・・っておい!あたし試合行くのかよ!っておい!一人ノリツッコミ!?」






「あーもーだからあたしは嫌いんだよぉぉぉぉおおおぉ!!!」
、どしたー?てか俺も叫んでいい?への愛を!」
「お前は黙ってろ悠一郎少年!」



ミーーーン、ミーーーン、とかさ、チリンチリンとかさ、
チャリンコの音とひぐらしの鳴き声がコラボする夏なんてだい「大好きだー!」


「だから黙っていてください悠一郎さんんんん!!」






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結局両思いになるのは高校生の青春だと思います。
アイスは、あれです。真ん中でパッキーンと割れるシャーベットみたいな古くからあるアイス。
シャーベットアイス?あれって実は「アイス」じゃなくて「清涼飲料水」なんですよねビックリしちゃいましたよ。

田島少年の頭ん中では「間接が駄目なら直接」みたいな感じだったんだと思います。
はい、ありがちなネタでしたー。


<<07.8.18>>