「は・な・せ!」
「いやだぞ、っと!」

また、始まった。






机を挟んで醤油を取り合ってるのは、タークスエース・レノと、同じくタークス一員の、
正確には、卵焼きにかける為に醤油を取ったと、卵焼きに醤油をかけるのを阻止するレノ、だ。
今の二人にタークスの面影は、無い。


「つかさぁつかさぁ、あんた何したいわけ!?あたし醤油かけたいんだけど!」
「つかさじゃねーだろ!俺は上司だぞ!?敬語使えっつーの敬語!」
「あんたは口癖消えてるぞ、と!キャラ作るなら徹底しろや、てか醤油はなせ!」


止まらない喧嘩は周りへの騒音になっている。向けられる視線に諦めが込められているのが唯一の救いだが、
それに気が付かず白熱しているこの二人を誰か止めてくれないだろうか。隣の俺はとてつもなく良い迷惑だ。


「ねぇルード!こんのアホったれに何か言ってやって!?」
「おいルード、一人で黙々とメシ食ってんじゃねぇぞ、と!」
「・・・・・・・・・・・・。」


この気持ちを伝えるには、少々口下手な俺には無理があるので黙るが。
そうすれば二人は諦めてまた騒音を出し始める。


「とりあえず醤油は俺の話聞いてからでもいいだろ、その手を離せよ、と!」
「いやだぞ、と!話なら醤油かけた後に聞いてやるぞ、と!」
「俺の真似すんなよ、と!そんなに俺が好きか!?」
「自惚れんなよ赤犬が!その髪に醤油ぶっかけて茶髪にすっぞ!?」


この際だから言う。レノはが好きだ。はレノが嫌いだ。
しかし、彼女も『表向き』は悪態を付いているが、この間ぽつりとレノが好きだともらしていたのを聞いた。
レノは見た目通り女遊びが激しいから、嫌いだとも言っていた。でも結局は両思いであるから、






「話を聞け!だから、俺は、好きなんだぞ、と!」






そのうち仲良く歩く姿を見ることが出来るだろうけれど、








「・・・醤油が?」




彼女の、恋愛方向に関する感の鈍さは一級品で。


「だぁあああぁあ!この状況で醤油!?お前の頭の中は醤油で出来てんのか、と!」
「はぁあ!?なんであんたに醤油馬鹿にされなくちゃいけないのよ!?この状況で醤油以外なにがあんだっつーの!」


いつまでも前に進まない。レノの好きはその他多数の女性に向けられるものと同じだと思っている。
なので、これが本気の『好き』だなんて思ってもいない。教えてやったって、そんなの嘘だと笑い飛ばしてしまう。
つくづく、鈍感なのだ。


「こんのアマ・・・!こうしてやるぞ、と!」
「ぎゃああああ!塩分多量摂取!ざけんな、卵焼き台無しじゃねぇかよ!ツォンさんにチクってやる!」
「はッ!ツォンさんがお前の卵焼き如きで怒るかっつーの!それこそ自惚れんなよ、と!」
「あれーすっげーなレノさん!あんた自惚れの意味解ってたんだ!馬鹿なのに解ってたんだ!」
「ぶっ殺すぞクソアマ!!」
「やれるもんならやってみろ赤毛女たらし!」


・・・やはり、仲良く歩く姿なんて当分拝めないのかもしれない。


「「ねぇ(おい)ルード!この馬鹿どうにかしてくれ、と!!」」


だから話を振られてもしょうがないんだよ、俺は、口下手だ。
まったく。・・・あ、このコロッケ、


「・・・・・・・・・・・・・・・旨いな。」
「「はいいいいいい!?」」










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レノさんが、偽者・・・偽者がき、た・・・!(死)
この後回りの人の苦情が来てツォンさん登場で二人を引き取って終わり、だと思います。

なんで醤油談義なのかっていうと、自分が卵焼きは醤油派だからだと思います。
特に深い意味はないので、マヨでもソースでも塩でもケチャップでもよかった。
タークスが大好き。全然プレイしてないけど大好き!(←前・中盤から一歩も進んでいない人)

以前の人類超越の駄作を少しは払拭できればと思いましていってみましたが、
ずっと7やってなかったブランクは大きかったです。

『、と』って何処でつけるんだっけ!?(おい)



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