むちゃくちゃイライラする。イライライライラ。ライラライ!あはは、ライラライって何。イラライラってもうイライラじゃないじゃん。イライライライラ。気持ち悪いよ。胸の中におっきくて重い黒い塊があるみたい。吐き気が、する。むかつくよ。苛々するよ。



ずずーっと、引きずっている椅子の音にまで腹が立ってきた。








馬鹿な兎よ、








穏やかな昼下がり。談話室なんて普段こないけど、なんでだか、静かな場所で本を読みたくなった。こんなんただの気まぐれだろうけど、衝動的な思いに駆られて任務先で買った本を片手に此処に来たっていうわけ。人はまばらに居るけど騒音になるような声量ではない。


「(こんな時間を過ごすのも良いかもなあ。)」


そんな事を思っていた、矢先だった。








「クソ兎、居る?」


バンッ、と物凄い音を立てて部屋を開けると、恐怖伝説の本にでも載るんじゃないかって程物凄い形相のが、普段使う分には何の支障もないだろうけど今はそれで恐ろしいことでもしでかすんだと宣言するように握られた椅子を引きずりながら、クソ兎、もとい俺を探していた。その目は餌の獲物を捕らえようとする猛禽類のよう。扉の音だけでびくりと肩が上がってしまった俺を、さらに恐怖に染めていくには十分な威圧だった。いや、俺だけじゃなくて、その場に居る全員同じような思いの筈だ。背筋に走る悪寒。先に断っておく。俺は、何もしていない。


「居た、クソ兎。」


触らぬに祟り無し。ユウの母国の諺を思い出して、さっさと逃げようと急いで立ち上がろうとして腰を浮かすのと、が俺を見つけるのとほぼ同時だった。また、悪寒。このまま振り切れない訳じゃないのに、何故か座ってしまった。腰が抜けたのかもしれないけどそんなのカッコわりぃからとりあえず声をかけてみる。


?どうしたんさ?」


こんな所に来て。 っていう台詞と、俺の目の前にあった物を置くための大きいテーブルが吹っ飛ぶのとが重なる。今日は不思議と被るもんだな、なんて、どうでも良い事を考えた。人間は切羽詰まった時にこそどうでも良い事を考える生き物だと、どうでも良い事を思い出す。只単にテーブルが軽かったのかしらないけど、壁際に座っていた男に悲鳴を上げさせるくらい凄まじい勢いだったらしい。次に罵倒。


「クソ兎。今日はお前に用があって来ました。」


罵倒男は完全無視。生命の危機を体験した方からすれば失礼極まりない態度だけど、は気にしていなかった。いそいそとテーブルが在った場所へと椅子を置けば、反対向きに座って背もたれへと顎を乗せる。真正面、いや、少しだけ斜め上から見下ろされる俺の頬に一筋の、汗。


「お前はいつもへらへらと笑っている、むかつく顔をした男だと常日頃より感じています。」
「おま、それは年上のおにーさんに向かって言う台詞じゃないさ。酷くない?」
「そこで私は考えました。このヘラ兎を烈火の如く怒らせてやろうと。」


突拍子も無い遊びを始めやがって、なんて口が裂けても言えないけど中々に怖いのこのお嬢さん反論の一つや二つ、言ってやらなくちゃ俺だって罵倒男だって気がすまないと思いつつも何をどう言おうか迷っているところに、伸びてきた二本の手は俺の両頬を抓んで、


思いっきり左右に引っ張った。


「いひゃいいひゃい!!いひゃいひゃっ!!」
「さあ怒れ馬鹿兎。」


理不尽な暴力だ、弱いもの虐めだ、ふざけんなよ小娘。どの台詞も上手く言葉が発せ無い今は何の効果ももたない。いやにはっきりしない物言いでも痛いと解るだろう、それともこいつは人の気持ちとか痛みとか理解できないタイプの人間なのか?


「さあさあ怒れ馬鹿兎。」
「いひゃいっへ!」
「烈火のごとく怒れ馬鹿兎。」
「ひひゅがひゃへるっへ!」
「へらへら笑う気力なんかないだろ?痛いだろむかつくだろ。さあ怒れ馬鹿兎。」


痛いしか言わない俺に不機嫌になって、さらに横へと伸ばしていく。人間の皮膚の伸縮性を憎んだ瞬間だった。痛いつか何このまじで理由の無い暴力は。へらへらって結構傷つくんだって。だから怒りたいけどお前が頬抓るから声すら出ないんだって。おい、切れるぞ俺。



「・・・使えない。」



はいカウントダウンさん、にぃ、いちって数えてる途中では頬から手を離して冷徹な一言を俺に浴びせた。いきなり手を離された反動の痛みに頬を押さえて、それでもキッとを睨む。


「お前なあ、しても良い事と悪い事があるの解るんさ?」
「ああもう使えないよクソ兎。くたばれ、うざい。」


俺の話なんて聞いてない。手を、あげそうになるけど、言葉が切れたの瞳がやたら悔しそうなのに気が付いて戦意が失せてしまった。目は、俺を見ていない。そういや最初から俺の事なんか見てなかった。どっか遠くを見つめて、それをみて暴言を吐いている感じで。あれ、こいつ何処居るんだ?


「くそ、アレンに頼んでもリナリーに頼んでもリーバーに頼んでもコムイに頼んでも通りがかりの名前知らないやつに頼んでも誰も怒りやしない。股間蹴り上げようが大切な髪の毛ひっぱろうが判子押してない書類をわざと捨てようがCG処理したリナリーの結婚写真を置こうがデブ野郎と叫ぼうが誰も怒らない。ここに居る人間は怒るという感情を忘れたのか、そうなのか。ああ苛々する。」


ぶつぶつと独り言を呟きながら座っていた椅子から腰を上げると、既に俺という存在を抹消済みのようにごめんねとかばいばいとか、そういう挨拶一切無しで去っていった。いや、立ち上がったとき持っていた椅子を床に数度叩きつけるのが挨拶だったのかもしれない。きっとアレン以下迷惑をかけた連中の時も同じような事呟いて同じような行為をして椅子を引きずっていったんだろう。何あいつ、なんであんな荒れてんの?



「ラ、ビ!」


開きっぱなしの扉に捕まって立っているアレンが呆けている俺の名前を呼ぶ。


「んぁ・・・?アレン、どし、」




「股間を蹴り上げようが、」




少し前かがみになって、涙を浮かべるアレンにどうしたと聞くのは愚問だという事に気が付く。早口でまくし立てたので上手く聞き取れなかったけどこんな事も言っていた。なんと痛々しい姿だろう。やべ、俺もなんか痛くなってきた。


「どうしたもこうしたもありませんよ!が、いきなり、僕の・・・・!」
「言わなくてもその痛みはよぉおおぉっく解るさ。」
「ああそういえばラビも男でしたね・・・!」


なんて酷い言われようだ。俺はいつ女に見える行動をしたんだ。やばいな、アレンに八つ当たりをしそうだ。・・・いや、俺のがお兄さんなんだからそんなこと出来ない。兎に角、少し休ませてやろうという優しい心遣いで隣を勧めると、今度はアレンが俺の頬を指差してどうしたのかと言った。


「頬の肉が裂けるかってくらい引っ張られた。」


まあでもお前ほど痛くは無いだろうけどな。 っていうと今度はアレンから蹴りを食らうことになるだろうから黙っとこう。よそよそしい動きで俺の隣に腰掛けると、壁をへこませて倒れているテーブルを見つけて、うわぁ、と顔を青くした。


「ここでも暴れたんですか?」
「うん、まあな。アレン、お前なんか覚えないさ?俺なんでこんな暴力受けなくちゃならんのか解らないんだけど。」
「さあ。僕だって解ってたらみすみす攻撃なんて受けませんよ。あれじゃないですか、任務先でとてつもなく嫌な目みたとかじゃないですか?」
「任務?」


そういえば、最近の姿見なかったけど、そうか、任務行ってたんか。そういや絆創膏とか痣とかあった気がしないでもない。確認なんか出来なかったけど。任務の疲れ?



なんで怒らないのか、ねぇ。俺は、両者の頬と股間の痛みが治まるのを待って、もう一人の被害者に尋ねる。


「アレン、お前なんで怒んなかったんさ?頼まれただろ?烈火のごとくキレろと。」
「そりゃ、僕だって流石に頭きましたよ。」


人間ですしね。って付け足した言葉は、きっとだいまおうですしね。ってルビが振られるだろうけどやっぱりそのままの意味でとることにした。だって、今はそんなに怒り狂ってるって顔してないし。なんで、怒ってないんだ。


「で、罵倒を吐こうとしたら、なんか、の目が、」



凄く寂しそうで辛そうで悔しそうで。



「・・・声を失ったっていうか、怒るのは場違いなんじゃないかって思えて。」
「ふーん。」


この分だと、皆が皆、同じ感じで怒らなかったんだろうと予想できた。怒らないことに怒ってるあいつもあいつだけど、しっかり怒らないからこう、俺の方まで被害がきちゃったんだろ。そういう俺も怒らなかった。この流れで行くと次の被害者はユウだ。ご愁傷様。


「おかしいですよね。あれだけされたのに、怒っちゃいけないと思うなんて。」
「アレン、お前もしかしてドエム「ラビ、もちろんそんなことはありませんよ。」


絶対零度の微笑みを持つ貴公子は、八つ当たりといわんばかりに左腕を変形させた。
おいおいおいおいおい。なんて、理不尽な。俺だって八つ当たりしたいのに。お前だけずりぃぞって言いたい。理不尽?覚えの無い暴力、なんの覚えも、無い。ああ、そうか。




解答を得た俺の頭に、見事なチョップが入るのが被った。今日は良く被る。


























。」


翌日談話室で本を読むを見つけられたのは偶然ではない。昨日の内に理不尽な八つ当たりを止めたらしく、ユウまで怒らなかったら流石に薄気味悪くなったらしい。なら普段どおり此処に居るんだろうと目星をつけてきたらドンピシャだった。


「・・・・何の用、クソ兎。」


隣に立つ俺に一瞥をくれると、すぐに本に目を戻してぽつりと呟いた。半分予想できた反応だ。俺は昨日がしたように、持参した椅子を置く場所を確保するためテーブルを退かしもちろん丁寧に。テーブルが可哀想に見えたのは初めてだ。椅子を置いて、背もたれを前にして腰掛ける。昨日、この角度で、この位置で、は俺を見下した。ふつふつ、少し怒りが沸く。はそれでも飄々と本を読んでいる。ふつふつ、沸いてくる、怒り。・・・なんていうのは冗談で、別に昨日のことはもう怒っていない。理由が解れば怒る意味も無くなる。もう理不尽じゃなくなるのだから。


。」


もう一度名前を呼べばまるで読書の邪魔をしようとする小さな虫が居るとといわんばかりに怪訝な顔をして俺をみあげた。昨日の俺と、同じ感じ。少しだけ、ちくりと胸を刺す痛みがあったけど構うことは無いと言い聞かせた。



振り上げた手が丁度電気の真下で、こいつから見れば手と服の境界線が無い影なんだろう。俺から見れば、顔の上らへんに手の影が掛かってて、それを見て大きく目を見開くが見える。何かを言おうと口が動く前に、








バチン










気持ち良いまでに乾いた、良い音がした。それに気が付いて、談話室の面々が俺を振り返る。


「馬鹿女。」


そう言い放てば、俺は背もたれに肘を乗せて頬杖をつき、事の経過を見守ることにする。殴った手が痺れたので見えない位置で動かせば、すぐに痺れは収まって少しだけ熱を持った。一方、の方は殴られたいや、そんな言い方だとまるで俺がグーを使ったと思われるので、平手打ちって言おう。平手打ちを食らった体制のまま固まっている。顔は横に逸れ、ぶたれた方の頬を俺に見せてくれた。随分と手加減をしたつもりだったけど、やはり男ってもんは力が強いんで痛かったのかもしれない。


「・・・・う、ぇ・・・」


口元に貼れた絆創膏が僅かに動いて、何かを言った。誰もが静まり返っていたので、こんな小さな声でも聞こえるんだろうな。今なら本の頁が捲れる音だって聞こえるんだろうなと、どうでも良い事を考えた。


「う、あぁ・・・ふ、ぅああああああぁああ!!」


そして、堰を切ったように泣き出す。いい歳こいてみっともなく、それでいて女の子らしい、大きな泣き声だった。涙を拭おうともせず、ぶたれたた頬を押さえようともせず、だただ感情のまかせるままに泣いた。俺は、それを見守る。




「ラアァアアァァァアアァビィイイイィイイ!!」




つもりだったけれど、いきなりの乱入者はそれを許してくれなかった。とび蹴りが横っ腹にクリティカルヒット。なんでこいつは毎回タイミングよく談話室の前なんて通り過ぎるんだよ。


「あ、貴方なにやってるんですか!よりによって女の子の顔を殴るなんて!!」
!?大丈夫!?」


大魔王降臨とでも言おうか。角が生えそうな勢いのアレンは、こけた拍子に椅子で鳩尾をやられた俺より、たった一回の平手打ちで泣きじゃくるの心配をした。いつのまにか駆けつけてきたリナリーは、の背中を擦ったり頬を撫でたりと大忙しだけど、一瞬俺を見て口だけで  最低  と言い放った。目が冷たい。俺、なんかすっごい加害者っぽい雰囲気作ってるんですけど、こう見えても被害者よ?


「とりあえず、ね?医務室行って氷もらいましょう?ほら、赤くなってる。」
「うぁ、ああああぁっ!」
「大丈夫、ラビはもう手出しできないからね。」
「ラ、うぅあっ、びあふぁっ・・・!」
「大丈夫、落ち着いて、」


いやいやと首を振る小さい子をあやすように実際まだ十三歳なので小さい子って表現は実に合っているを立たせて談話室を出て行った。残されたのは、俺とアレン。


「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」


これは、お仕置き係りとか、そういうのじゃないと嬉しいんですけど。にこりと微笑むそれこれにはあくまとルビを振るは俺の考えを全否定した。


「アレン、待て待テ!落ち着けよ!早まるな!」
「早まるな?早まって手を上げたのはラビでしょう?」


これ以上の言い訳はできなかった。
けど、俺の聞き間違いでなければは何か弁解をしてくれようとしていたのではないかと思うのだけれど。
まあ、叩きのめされた後じゃそれだって意味なくなるんだけどさ。




とりあえず鳩尾の痛みも有り、アレンのボコりに体力が追いつかなかった俺はその場で気絶。大事には至らなかったものの、小さい女の子泣かしたというレッテルはとても重くのしかかった。だって、あれ、が殴れって訴えるからやっただけなのにさ。俺悪い事してないって。あいつ怒って殴ってほしかったんだって、って聞いてる?  俺の言葉は所詮言い訳の範囲から逃れられないらしい。けどさ、あれから落ち着いてるじゃん。癇癪起こさないしすっげー笑うしさ。おい、股間蹴られたそこの人間の皮を被った悪魔とか、自慢のポニーテール痛めつけられた箱入り娘とか、大事な書類捨てられたインテリの人とか、見て解らない?お前ら痛めつけてた時より世の中楽しそうに映ってるって感じじゃん。  え、所詮殴った事実は変えられない?俺は最低だって?だーかーらー。













「殴って無いさ。平手打ちだって。」


現に、目の前の少女の頬には本当に、本当にうっすらと赤い手形が残ってる。どうせこれだって今日中には消えるんだろう。よく見ると顔の痣だって大分引いてきたんじゃないか。


「知ってる。あれは、グーじゃなかった、です。」
「だろ?なのにアレンのやつ、殴った殴った連呼しやがって。」


現場を見ていないやつは心底の頬骨の心配をしていた。そして俺を睨む。こうしてアレンから受けた傷によって医務室ベッドでの生活を余儀なくされた俺は心配されないでさ。俺って何?アクマにやられたわけじゃないのにこの傷、って、もうあれはアクマじゃなくて悪魔だから同じ様なもんなのかもしれない。


「今んとこ、やりすぎたって謝りに来たアレンとお前以外誰も見舞にはこないって、俺どんだけ悪者さ。」
「あれは、ク、クソ兎が悪い、です。あたしが癇癪起こしてる間に殴らない、から。」


つまり、この子としては理不尽な理由で暴力を振られて逆ギレしたやつに殴られたかったらしい。頭が良いというか、なんというか。そうすれば正当防衛だのこいつが先にやってきただの言われて終わる。泣いたって放っておいてくれるという算段だったらしい。なりの、周りへの配慮だった。




「泣く理由が、欲しかったから。」




戦場に出るのに、いやだと泣けない。人が死ぬのは戦争につきものだと、割り切れなくて、死んでいく仲間や人を見ていて泣きそうになって、それでもぐっとこらえて元は人だったアクマを殺す。嫌な矛盾の繰り返し。助け切れなかった自分への憤り。泣きたかったけど、今更泣けなかった。皆泣かない。リナリーも泣かない、アレンも泣かない。あたしも泣いちゃいけない。だけど泣きたい。ああ、いらいらする。


そういう悪循環の繰り返しの末の行動だったと、俺にだけ言った。抑えきれなかったんだと、またちょっぴり泣く。


「まさか、こんな怪我させるなんて、思ってなくて、その、」


ごめんね。 お見舞い二日目にしてようやくその言葉を口にした。


「気にしてなーいさ。ちゃんと謝れて偉いなは。」
「もう子供じゃない。もうすぐ、大人になるもの。一通りの挨拶は出来るよ。」


わしゃわしゃと頭を撫でれば、少しだけ女に近づいてきた顔がきっと睨んだ。髪の毛はいやらしい。


「けど、次は我慢なんかしないでしっかり泣けよ。俺ももうぶつの嫌だし。」


もう絶対ぶたないけど、胸ならいくらだって貸してやるから。そう耳元で囁いてやれば少し頬に朱をさし、こくりと素直にうなづく。もしこれが二年後のであれば、もう少し違う反応をしている気がして、十五歳になったらもう一回言ってやろうと思った。


「ねぇ、馬鹿兎。」
「ラビ。いい加減名前で呼ぶさ。クソだの馬鹿だの、女の子がそんな汚い言葉を使っちゃあ駄目だろ?」
「いいんだ、・・・ですよ。馬鹿だしクソだから、いいの。」


名前を知らないわけじゃなくて、只単に照れくさいという理由なんだろうと憶測する。もし、そうなら。嬉しいと思うんだよな。



意を決したように、ぐっと下唇を噛む仕草を見て微笑んだ俺に、何回かどもりながらやっと、ラビ。と呼んだ。しかし、すぐに首を振って、何かを否定する。



「馬鹿ラビ。」



そうくるか。馬鹿兎、クソ兎。次は馬鹿ラビ。まあ、兎から抜けられたのは良いけど、どうして兎イコール俺なのかイマイチわかんない気がする。けどさ、ここまで来たらカンペキ名前で呼んでもらいたいっしょ?


「いや、馬鹿いらなからな?つかどうみたって俺馬鹿じゃないさ。頭良いだろ?」


名前で呼んでくれないと拗ねるぞと言えばガキが。って毒を吐かれたが、もう一度促せばラビ。と言った。




「ラビ。」




ラビ。三回名前を呼んで身をのりだすと。






礼を言う。






ちゅっと、俺の頬に可愛らしいキスをしたのだ。















---あとがき------------------------------------------
もう何がしたかったのか解らなくなりましたラビ。ヒロインちゃんはまだ子供なのです。
十八歳の男が十三歳の女の子に恋をする滑稽なお話にしようと努力はしたけど無理でした。
きっとヒロインちゃんは十五歳ごろ恋に目覚めるんだろうななんて思ってます。


サイトの整理して初めて書いたラビでした!D灰放置気味万歳!(ぇ